新理事長就任あいさつ

このたび、一般社団法人日本学生相談学会の理事長を拝命いたしました名古屋大学学生相談センター長の鈴木健一です。
1955年に設立された「学生相談研究会」を前身とする本会は、70年の歴史を有します。1962年から毎年開催しております全国学生相談研修会は、今年で63回を数えます。この研修会は、大学・短期大学・高等専門学校などにおいて学生相談・学生支援に携わる教職員の方々に広く開かれており、毎年ご好評をいただいております。
さて、2022年4月より一般社団法人化した本会には、現在、約1,400名の会員と約300の機関会員が所属しています。全国の6割以上の大学(高等教育機関全体では約半数)に本会の会員が、カウンセラー、専門職、教職員等として勤務しています。大学という場が、かつてない速さで変化し、複雑かつ多様化している今、学生相談が果たすべき役割もまた、大きな転機を迎えています。学生一人ひとりが直面する困難に寄り添いながら、同時に組織の課題にも応答していくーーその活動の広がりは、日々確実に高等教育機関のなかに根を張りつつあります。
このように、学生相談は一つの専門性に立脚しながらも、学びの場に関わる多様な人々と関係し、教育・学生支援・制度の重なりの中で「無限のかかわり」を創出していく実践です。私たちの専門性は、単なる個別対応にとどまらず、大学の未来を支える力となりうるものだと確信しています。本会の会員は、それぞれの専門性を礎に、大学という揺れ動くフィールドにおいて、ポリバレント(多様で多能的)な役割を発揮しつつ、豊かでしなやかに学生や教職員との関わりを紡いでいます。人知れず悩みを抱えている学生の皆さんはもちろん、研究室やゼミでの学生指導にお悩みの教員の方々、ご家族の皆さまも、ぜひご所属の学生相談室にて、あるいは学生支援担当部署や学科等の学生支援担当にて、私たちの専門性をご活用いただけましたら幸いです。
これからの任期、皆さまと共に歩み、本会が多様性と連携の力を高めながら、社会の信頼に応えられる存在であり続けられるよう、尽力してまいります。
引き続きのご理解とご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人日本学生相談学会
      理事長 鈴木健一

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