沿革・表彰

日本学生相談学会の沿革

 1951年(昭和26年)、アメリカ教育審議会(American Council on Education;略称ACE)内に「アメリカのSPS(Student Personnel Services;学生助育、厚生補導)やカウンセリングを日本の大学に紹介するための委員会(An Advisory Committee to introduce personnel services to Japanese Universities)が作られ、ミネソタ大学のウィリアムソン博士(Dr. E. G. Williamson)がその委員長となった。
 1951年から1952年にかけてブリガムヤング大学のロイド博士(Dr. W. P. Lloyd)を団長とし、下記の5人の心理学者をメンバーとする計6名の講師が日本に派遣された。

Dr. Maurice D. Woolf (Kansans State College)
Dr. Leona W. Felsted (Ohio University)
Dr. Chester H. Ruedisili (University of Wisconsin)
Dr. Gordon J. Klopf (University of Wisconsin)
Dr. Henry Borow (University of Minnesota)

 講師たちは日本側の講師団と協力して、京都大学、九州大学、東京大学の順序で各地区の大学関係者を集め、それぞれ3ヶ月間にわたる厚生補導研究集会(SPS研究集会)が開かれた。
この研究集会でSPSおよびカウンセリングの必要性が認識され、1953年(昭和28年)に東京大学の本郷と駒場の2つのキャンパスに学生相談所が設置され、カウンセリングが開始された。故中村弘道元会長が駒場キャンパスの責任者となった。これを契機に各地の大学に続々学生相談所や学生相談室が設置されるに至った。
 さらに1955年(昭和30年)には東京地区を中心に現在の日本学生相談学会の母体となる「学生相談研究会」が結成され、カウンセリングの研究、調査、研修活動などが開始され、機関紙として「学生相談」が刊行された。
 同じく1955年(昭和30)に前記のロイド博士を主任とし、オハイオ州立大学のロビンソン(F.P.Robinson)、ミシガン大学のボーディン(E. S. Bordin)の三博士によるカウンセリングの特別研究集会が東京大学において開催された。
 翌1956年(昭和31年)には臨床カウンセリングの代表者であるウィリアムソン博士が来日し、同じく東京大学で3ヶ月にわたり「カウンセリングの理論と実際」について集中講義を行った。
 また1961年(昭和36年)には、ロジャーズ(Rogers C)およびスーパー(Super D. E.)の二博士が来日し、ロジャーズ博士は彼のいわゆる非指示的カウンセリングを、スーパー博士は職業カウンセリングの理論を紹介した。
  1962年には第1回全国学生相談研修会が開催された。
  1983年には第1回学生相談研究会(大会)が開催された。1987年4月25日に日本学生相談学会に改組され、学術研究団体として認定される。
 1993年に会員の研修を目的として、第1回学生相談セミナーが開催された。
 資格関係では2001年に大学カウンセラー資格認定が開始され、2012年からは学生支援士資格認定が開始された。
 2022年4月に、法人化され、一般社団法人日本学生相談学会が設立された。これに伴い任意団体としての日本学生相談学会は解散された。

表彰

学会賞

 学会の発展・質の向上に顕著な功績を残した会員に学会賞を授与します。

学会特別賞

 学生相談の発展に顕著な貢献を残した会員に、学会特別賞を授与します。

奨励賞

 学生相談に関する優れた研究に対して研究奨励賞、優れた実践活動に対して実践活動奨励賞を授与します。

 

学会賞・学会特別賞受賞者一覧 (敬称略)

 学会賞学会特別賞
1998年度岩村 聡 
1999年度中村 雅知 
2000年度松原 達哉 
2001年度鳴澤 實 
2002年度林 昭仁加藤 美智子
2003年度峰松 修藤光 純一郎
2004年度駒米 勝利 
2005年度鶴田 和美 
2006年度嘉部 和夫桐山 雅子
2007年度苫米地 憲昭 森川 正大 
2008年度岡 昌之 
2009年度 
2010年度山崖 俊子福田 真也
2011年度窪内 節子 
2012年度 
2013年度吉武 清實吉田 昇代
2014年度大島 啓利山下 啓司
2015年度高石 恭子布柴 達男
2016年度吉良 安之 
2017年度菅野 泰蔵
2018年度岩田 淳子 高橋 知音 可児 由佳
2019年度齋藤 憲司船津 静代
2020年度金子 玲子平野 学
2021年度鈴木 佳子クスマノ. J
2022年度山中 淑江 
2023年度早坂浩志
 -は該当者なし
 

研究奨励賞・実践活動奨励賞 (敬称略)

 研究奨励賞実践活動奨励賞
1998年度齋藤 憲司沢崎 真史
1999年度讃岐 真佐子石田 妙美
2000年度青木 万理平澤 孝一
2001年度若山 隆
2002年度渡部 未沙高石 恭子 武田 信子
2003年度太田 裕一内野 悌司
2004年度道又 紀子 山中淑江
2005年度安住 伸子杉江 征 髙橋 寛子
2006年度森田 裕司
2007年度戸谷 祐二
2008年度高野 明 田中健夫早坂 浩志
2009年度水戸部 賀津子
2010年度山川 裕樹山上 史野
2011年度酒井 渉 山下 親子足立 由美
2012年度髙橋 国法鈴木 英一郎
2013年度坂本 憲治 堀井 俊章
2014年度浅原 知恵
2015年度大西 晶子大谷 真弓
2016年度杉岡 正典
2017年度黒山 竜太阿部 千香子 堀田 亮
2018年度小池 有紀 濱中 ミオ
2019年度横山 孝行 設樂 友崇
2020年度大町 知久神田 美津子
2021年度笹倉 尚子 堀田 亮山本 有恵
2022年度水野 雅之松本 聡子
2023年度田村 友一 野原 一徳吉原 啓
  - は該当者なし。