学生支援士資格

日本学生相談学会の資格認定制度

 一般社団法人日本学生相談学会では「大学カウンセラー」と「学生支援士」の資格認定を行っています。

 毎年7月1日に、その年度の「資格申請の手引き(申請要項)および申請書類一式」を会員専用サイトに公開します。

 新規取得および更新申請をご予定の方は、会員専用サイト 7.資格認定制度より、必要書類をダウンロードしてご利用ください。

【学生支援士】

1.「学生支援士」資格とは

 2012年度より「学生支援士」資格認定制度が発足しました。
今日の高等教育機関における学生支援は、戦後に導入された学生助育(student personnel services)に端を発しています。学生助育は「学生を各種の人間的欲求を持って生活し成長する主体であると見なす観点に立ち、その発達と成熟を助長し援助する一切の活動を意味」(学生助育総論、1953)しています。

 学生助育に端を発した学生支援は時代や状況により変化を重ね、支援の場面やその内容は多様化しています。しかし、今日にあっても学生の発達と成熟を目指す学生助育の基本理念の意義は失われていません。むしろ、多様化すればするほどその意義を増していると考えられます。学生支援士には、学生支援に関する基礎的な知識だけでなく、以下に示す5つの実践的な力が必要とされます。

  • 援助技能
    学生対応の実践力。援助的コミュニケーションを行うことができ、立場と役割に応じた支援を提供するとともに、必要に応じて適切に他の機関・組織に繋ぐことができる。
  • 学生個人のアセスメント
    個々の学生のニーズ、発達課題、潜在的な力を把握する力。学生が直面する問題やニーズ、性格・強み、ソーシャル・サポートなどを把握し、援助の方針をたてることができる。
  • 大学カウンセラーとの連携・協働
    学生相談機関や大学カウンセラーの機能を理解し、大学カウンセラーとの連携・協働ができる。
  • 大学環境のアセスメント
    大学内外の助育環境を把握する力。所属する大学の使命や目標を把握し、大学内外の援助資源に関する十分な知識を持ち、所属する部署における役割と限界を把握している。
  • 大学コミュニティへの働きかけ
    助育的視点から大学コミュニティに働きかける力。大学全体の助育力を高めるための活動を行ったり、大学の取組・施策に関して提案ができる。

 さらに、学生の権利に関する正しい知識を持ち、職務の遂行に際し、学生の権利を擁護するとともに、支援者としてふさわしい倫理的な行動を取れることが求められます。

 学生支援士資格制度は、学生助育の理念のもと、大学カウンセラーと連携・協働して学生支援に携わる教職員の援助資質、援助技能を向上させ、高等教育機関の使命達成に貢献することを目指しています。

2.主な資格要件および申請方法

 学生支援士資格取得には、標準コースと同時申請コースがありますが、標準コースでの取得を推奨しています。

(1)標準コース

 審査の流れは、全国学生相談研修会(指定研修)申し込み(7月)→ 一次申請(10月)→ 研修プログラム → 二次申請(翌年10月あるいは翌々年10月)→ 面接試験 → 認定審査会議 を経て合否が決まります。

 一次申請の後、指定研修及び実務研修を修了する必要があります。一次申請の翌年度から二次申請が可能となります。

一次申請

 以下の条件を満たしていることを示す書類を提出して一次申請をします。

  • 会員資格:申請の前年度末(3月31日)に本会の正会員となっていること。
    (入会審査による承認が行われた後、当該年度の会費の支払いが完了した時点で正会員と認められます)
  • 学歴:学士の学位を有すること。
  • 職歴:申請時に高等教育機関に勤務していること。週4日以上かつ週28時間以上で勤務し、3年以上の勤務経験をもつこと。
  • 研修歴:一次申請までの5年間に、本会が主催する、または本会が認める研修会において30時間以上の研修を修めていること。
研修プログラム

 指定研修と実務研修を収め、それぞれレポートにまとめます。

  • 指定研修
    全国学生相談研修会分科会Aコース「学生相談の基礎と実践Ⅱ」を受講し、終了後、レポートを提出すること(指定研修レポート、2000字以上)。
  • 実務研修
    実務研修およびレポート(規程第4条、細則第8条)。本会会員の指導を受けながら実務研修を行うこと。本資格の専門性を示す実務経験例をレポートにまとめ提出すること(実務研修レポート、2000字以上)。
二次申請
  • 「指定研修レポート」、「実務研修レポート」、「自己推薦書」、「推薦書」などの書類を添えて申請すること
  • 本資格に関する自身の資質及び抱負について記述した自己推薦書(1000字以上)
  • 所属機関の専任教職員または本会正会員による推薦書(800字以上)

(2)同時申請コース

 標準コースの例外的な申請方法であり、ごく限られた場合に適用が認められます。まずは標準コースでの取得をご検討ください。

 同時申請コースでは、3年以上の学生支援実務経験があり、本会大会発表あるいは公刊された論考および十分な実績が認められる場合に、上記の「実務研修」が免除され、一次申請と二次申請を同時に行うことができます。この場合、単年度での資格取得が可能となります。

 参考:「資格審査の流れ」

3.面接試験 

 新規申請者は面接試験が必須です(2月)。提出書類の記載事項及び勤務経験などについての質疑を行い、総合的に判定します。

4.資格有効期間および更新条件

 有効期間は5年です。期間内に20時間以上の研修を修めることが必要です。詳細は「資格申請の手引き(申請要項)」をご確認ください。

 規程・細則は以下からご確認いただけます。

 「学生支援士資格認定規程細則

.申請書類受付期間

 申請期間は一次申請、二次申請、更新申請のいずれも10月1日~10月31日です。